reverie -乙女ゲーム記録-

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PS Vita 吉原彼岸花 久遠の契り【ネタバレあり感想】

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よく蝶毒と並んで名作と言われてる吉原彼岸花vita版フルコンしました( ^ω^ )

やっぱり人気なだけあって、蝶毒と同じくらい夢中になりました~!特に悲恋好きな方には本当おすすめできます♡

蝶毒もそうだったけど、プロトタイプさんの作品はシステムも使いやすくてよかったです。特に前後の選択肢まで飛べる機能と音声収集機能、全乙女ゲームに実装してほしい…

 

※以下、ネタバレあり各キャラクターの感想です※

 

続きを読むからどうぞ。

良かったところも微妙だと思ったところも率直に書いているのでご注意ください。

全キャラクター好きです( ^ω^ )

 

 

 

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朔夜

年下可愛い系はあんまり食指が動かないんだけど、ひとまず様子見で彼からプレイしました。

彼自身は予想以上可愛くて大変良かったんです、が、このルートで盛大に地雷を踏んだ私…。というのも動物が可哀想な目に遭う描写だけは本当に無理で。゚(゚´ω`゚)゚。

またライターさんが上手くて、子猫の書き方がリアルなんですよ…それで余計に凹みました。。※※※ねこちゃん可哀想なシーンあります!!!※※※くらい予告しておいてほしかった…そういう人他にいませんかね、誰かに分かってほしいこの気持ち( ᵕ_ᵕ̩̩ )

そのためせっかく初めて結ばれるシーンに全く集中できず、半ば読み飛ばしてしまいました|ω・`)

 

でも過去に朔夜を陥れた兄弟子に脅されて関係を迫られるシーンの胸糞悪さはリアルで良かったと思います。他の男に抱かれに行く凛ちゃんの髪を結う朔夜…っていうこのルートの醍醐味がとっても活きた展開でした。赤の他人ならまだしも、どうしても許せない男のもとに好きな人を送り出すって、嫉妬なんて可愛いもんじゃない葛藤がありますよね。。

それでも凜ちゃんの髪を結う役目だけは他人に譲れない、凜ちゃんが自分の仕事をするなら、朔夜も自分の仕事をまっとうしたい。髪結いとして、凛ちゃんを抱くこと以上に彼女の髪を結うことにかける思いがあるんだなと。ここで朔夜がひとまわり大人になったな~と思いました。

 

あと、朔夜ルートは時雨様が凛ちゃんに折檻する場面が印象的でした。

時雨の印象は真相ルートまでにどんどん変化したんですけど、だいたい裏で手を回したり精神的に圧力をかけてって感じが多かったので、朔夜ルートでのみ凜ちゃんに暴力をふるうその心は??…と、今でも若干しっくり来ていない部分があります。もう一度プレイするならその辺に注目したいところ。。

 

あ、年下だと油断させておいて、ベスエンで成長した朔夜の姿は反則でした( ´罒`*)慎ましくも幸せに暮らせそうで数少ない平和なENDでした。

 

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神楽屋彰人

俺様苦手なので最初この人だけはないと思い、イメージは俺様成金外道(ひどい)でしたが笑、その中身たるや憎めない中学生男子でした(。-∀-) 「お前のその端正な顔を歪ませてやりたい」って如何にも悪人面してますがつまりは「可愛いあの子をいじめたい」です。

友人である時雨がやたらと気にかける凜ちゃん、もともと顔が好きだし、「虚しい人」だと言われたことで一層印象に残っていた…と。凜ちゃんを気にかけるきっかけとしては十分だと思いますが、その後が意外とチョロくて(褒めてる)いい歳して経験豊富そうな割にはコロッと落ちます笑

要は顔がドストライクな上、中身の勝気なところもすごい好みだった!しかも身体の相性まで最高だった‼ってことですよね、全攻略対象の中で一番単純明快な理由でむしろ一番安心できるww

お祭りのシーンとか虎の根付けのエピソードとか、予想外に可愛らしい展開でストーリーが進んでいきます。

 

でもまあこのままハッピーエンドな訳ないよね~と思ったら案の定、凜ちゃんの両親を心中に追い込んだのが彰人だということが発覚(元凶は時雨なんだけど)。

…で、ここまでの彰人は中学生だったんですけど、ここからは一転、潔い大人の男性としての一面を見せてくれます( ˙꒳​˙ᐢ )♡

彰人は自分の過去の悪事と正面から向き合い、悔いることも謝ることもできるし、更生して凜ちゃんと幸せになることができる人なんで、友人である時雨とは正反対です。過去の行いは心底悔いているけれど、今この仕事をやめることはできない、ときっぱり言い切るところも良かったです。事業主として奉公人の人生預かってる責任もあるしね。

 

彰人のベストエンドが絶対一番凜ちゃんが幸せになれる道だと思いました。正攻法で吉原を出られるし身分の問題もないし、何より時雨に公式に認められているわけですし。惣一郎が気になるところではありますが…

色々乗り越えて結局ケンカップルなのも可愛い( ^ω^ )

 

何より終盤の彰人と時雨の会話、凜ちゃんにいい楼主だと思われてるうちに諦めろっていうところ。「俺が凜にここまで本気になると思わなかったお前の誤算だ」っていう彰人の台詞も、一言も言い返せず退室する時雨の反応もめちゃくちゃ萌えました(*∩ω∩)

 

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大月忍

色素薄い系垂れ目優男が好きなのでキャラクターはかなり好みでした♡訳ありチャラ男(実は強い)って何度見ても絶対良い(。-∀-)

生き別れ幼馴染にしろ大金持ち俺様男にしろ腹黒上司にしろ、何回も見た設定なのにありきたり感があまりないところがこのゲームの良いところだと思います。

だけど忍さんは彼らの濃さと比べると、若干インパクトが弱かったかな?という印象でした。。

 

なんだろう、結局どのENDでも結局身分の差からは脱却できないんですよねー…

甲斐公と花魁ですからね…まあ良くて妾ですよね確かに"(-""-)"

特例として周囲に認められてめでたしめでたしではご都合展開過ぎてしっくりこないだろうし、現実的にはやっぱり結ばれない二人なんだなと。

 

凛ちゃんが本妻の子を手にかけるエンドはわりとトラウマ展開でした~。ある意味もっと酷いことになるENDはいくらでもあるんだけど…。

序盤から選択肢を間違えまくって愛想尽かされるのとかはまあ納得いきますが、忍さんBADは最終盤まで順調に想いを確かめ合ってきて、最後の選択肢ひとつを間違えただけでそちらに分岐するので…、ここまで来ても彼の心は離れていき得るんだな~っていうのが結構堪えました。

どうして最後の選択肢が重いのか、どうして身請けの申し出を受けた凜ちゃんがBADに行きつくのかについてはちゃんと理由が明かされます。…が、だったら手放してあげてよ~と思いましたし、時雨様がどうして身請けを承認したのかも謎でした(´O`/)

忍さんルートでは葉津さんがラスボス的ポジションなので、時雨様と惣一郎がほとんど空気なんですよね。。

 

忍さんはベスエンですら、この先鈴千代に何かあったらどうなるの?という危うさがあるように思ってしまいます。そうなったら彼は結局「大名としての自分」をとるんじゃないかなぁと。統治者としてはそうあるべきでしょうから。

 しかし髪紐の約束を守ってプロポーズしてくれたのにはかなりきゅんとしました♡

 

刺客乱入のシーンの下がってろ!だとか、お酒が水だとばれたシーンの何で気付いた?的なやつ、普段のおちゃらけキャラとのギャップはめちゃくちゃよかったです( ˙꒳​˙ᐢ )

 

辰吉

物語開始時点で、前述3人は凜ちゃん可愛いなぁ気になるなぁってくらい、後述2人は凜ちゃんに執着しすぎてもはや壊れてるわけですが、辰吉はそのどちらでもなく、純粋に凜ちゃんに好意を持ってる状態ですよね。

他の人と凜ちゃんが結ばれるルートではひっそり失恋しているということで、わりと浮かばれない男です。

 

惣一郎BAD→辰吉ルートの順にやったので、分ってはいたけど惣一郎への申し訳なさが先立ってしまうシナリオでした。凜ちゃんが「これはお礼だから…」とか「ちょっと〇〇するだけ…」ってやや言い訳がましく、ちょっとらしくないのもあって猶更。その辺の違和感は、追加シナリオで辰吉とのルートを作った関係で仕方ないのかな。

 

バッドエンド、バッドエンド、バッド…あれ?って感じなのですが、あれはハッピーエンドではなくベストエンドだから、辰吉と凜ちゃんで辿り着けるベストはあれだからという意見を拝見して納得( ´•̥̥̥ω•̥̥̥` )掟破りな上に時雨と惣一郎二人ともを裏切るルートですから、確かにあれ以上幸せにはになりようがないかねぇっていう。。

 

ベストエンドはとても美しい悲恋なんですけど(まさに吉原の恋って感じ)、私的に裏切りの代償ENDがかなり印象的でした。二人とも生き残って吉原から出られたにも関わらず、裏切ってしまった惣一郎を待ち続け、その影に怯え続けるEND…

惣一郎が生きていることを望んでいるのか死んでいることを望んでいるのかも見失って、許される日を待ち続ける…どんなホラーかと思いましたː̗̀(☉.☉)ː̖́人間の業の深さをいろんな角度で見せつけてくるゲームです…笑

 

辰吉はどちらかというと寡黙なんですけど、声優さんが大好きな方で、短い台詞も深みがあって耳が幸せでした~♡他ルートでの淡々とした喋り方と、自ルート火事のシーンなんかとのギャップも(*∩ω∩)

 

声といえば、辰吉に手ぬぐいをあげたところを惣一郎に見つかって何してるのってなる場面でのあの惣一郎の冷めた声!最高!ぞわ~ってなって、即収集しました笑

 

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伊勢谷惣一郎

正統派メインヒーローだと思ったらラスボスその1でしたww

凜ちゃんとの幼い頃の約束を守るため、時雨への復讐のため、10年かけて這い上がってきたダークヒーロー…ただスパダリっていうよりもよっぽど私には魅力的でした♡

 

惣一郎に関してやるせないところは、他人ルートやBADENDはもちろんのこと、自ルートベストエンドにおいてすら、彼の努力は功を奏さない(はっきり言えば無駄になる)ところなんですよ…。結局どのルートでも身請けは成功しないし(時雨のせいだけど)、多くのルートで重罪人のお尋ね者(時雨のせい&自業自得でもあるけど)、自身の心もボロボロ(まあ自業自得なんだけど)。

どうせ追われる身になってしまうなら、もっと早くに凜ちゃんを吉原から連れ出して逃げた方がまだましだったのでは…と、どうしても思っちゃいますね。だけど惣一郎はただ凜ちゃんを吉原から出すだけじゃなくて、何不自由なく幸せにしたかったんだよね( ´•̥̥̥ω•̥̥̥` )

 

遠い日の約束ENDはBADENDなんだけど、ある意味これがこのゲームの正規ENDだと思うし、とても好きでした。

巻き込んでごめん…のセリフには思わずうるっときました。そうなんだよ、凛ちゃんにしたら、むしろ惣一郎が迎えに来ない方が幸せになれる可能性があったんだよ…。OPで惣一郎が凜ちゃんの首を絞めてるように見えるのはこういうことかと。10年間思い続けた女の子を自分の罪に巻き込んで、せめて苦しませないように自ら手にかけるって、悲恋END多しと言えども一際救われない結末で( ´•̥̥̥ω•̥̥̥` )

けれどとても美しい終わり方で、これが二人の一番の幸せなんだという気もしたし、スチルもめちゃくちゃ綺麗でした。

 

ほんとに惣一郎は不憫で仕方ない男なので、あてのない逃亡ENDとはいえ、幸せそうな様子がやっと見られたベストエンドは嬉しかったです。時雨の前で激高する惣一郎を凜ちゃんが口付けで止めるシーン、あれは間違いなく惣一郎の心を救うための唯一の正解でした。時雨様の嫉妬と怒りと絶望に歪んだ顔見たかったなぁ…。。

 

自ルートの惣一郎も文句なしに良いんですけど、辰吉ルートとか時雨ルートのいっそう闇が深い惣一郎も好きでした…。惣一郎ってたぶんもうゲーム冒頭の時点で9割方壊れてしまっていて、決定的破壊を免れたのはベストエンドと遠い日の約束エンドだけという気がします。

凜ちゃんを手に入れられないルートは描かれていない分も含めてたぶん全部ダメだし、凜ちゃんと一緒にいられてすら、ちょっとしたことで踏み外してしまうギリギリのところにいるんだよなと。自分の過去に辟易して、何よりそれが独りよがりになることを恐れてて…。

辰吉にしろ時雨にしろやたら凜ちゃんとの行為を見せつけたがるのもそれゆえ(性癖もあるかもだけど笑)だと思いました。

 

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桜華屋時雨

ラスボスだということは知っていました、なんせOPで目が光ってるから笑

紹介文を見たときはふむふむ紫の上計画か~と思ってたんですよ、可愛い女の子を理想の女性に育て上げて愛でる感じかなと。が、しかし。。もっとはるかに業が深かったし、思ってたのとちょっと違ったんですよね~。

 

他人のルートではいまひとつ何がしたいのか分からない時雨様。

凜ちゃんに執着してる感じはするけど、それにしては凜ちゃんに身体売らせてるの自分じゃんと。やたら追いかけてくる割には、忍さんルートや彰人ルートでは凜ちゃんを手放してるし。自ルートの楼主引退ENDとかもそうかな。

 

私としては、そのほとんどの違和感について、真相ルートで明かされた「恋人や夫になりたかった訳じゃない」「綺麗なものを近くに置くことで自分は人でいられた」によって納得できました。あと、真相ルート手前のBADで彰人が教えてくれる「自分(時雨)は凜ちゃんの相手として相応しい訳がない」もですかね。

凜ちゃんをできるだけ長い間傍に置いて見守りたい、楼主である自分の傍に置くためには遊女にするしかないし、凜ちゃんは身体を売ることで穢れたりしない。自分自身は汚くて、凜ちゃんの恋愛の相手になるとは思っていなかった。

 

さらに人格が歪んだ原因として、実母に捨てられ、養父から虐待されて育った過去が明かされます。

よって「親が子供をそこまで大切にすると思わなかった」ので、清州屋に借金を作れば凜ちゃんを手に入れられると思った。これはとてもしっくりくる説明でした。時雨は凜ちゃんがほしかっただけで、何も両親を殺そうとしたわけではなかったんだと思います。

だけど遊女に折檻を繰り返して殺してしまう狂気については、被虐待児だからといって正当化できるはずもなく。義父を殺してしまったところまではまあ情状酌量の余地があるとして、遊女への暴力は完全に時雨自身の弱さ故で、自分でもそれは分かっている、という風に私は感じました。

そんなこんなで真実を知ってみると、闇属性キャラが好きな私としては、時雨様にとても惹かれる部分がありました。…が!真相ルートの凜ちゃんは絶対ストックホルム症候群だから!!目を覚まして~!!!!って言いたかったです…笑

嘘で塗り固めた中にも、凜ちゃんを大切に想う(一般的な大切とは違うけれど)気持ちだけは本物だったから、それが凜ちゃんに届いたということなんだろうけど。それにしたってその人は酷い人だよ~絶対惣一郎の方が(まだ)良いって~~!!って思いました笑

彼岸花ENDも好きでしたけどね。手放してやる気になったのにバカな子だ、って台詞がとても良かった。その後の惣一郎のことを考えるといたたまれなさ過ぎてあれですが…笑

 

時雨ルート=真相ENDだなぁと思います。

時雨ルートのベストエンド(やけにあっさり結ばれて、周囲からは非難されつつも幸せそうなEND)は絶対無理がありますからね。惣一郎があれで大人しく引き下がったのどう考えてもおかしいし、このENDの凜ちゃん、時雨のやったことを何ひとつ知らず言ってしまえば騙されてるわけですからね。

自分は相応しくないとか言ってたのはどの口だって感じだし、なんなら大門を出た次の瞬間にも凜ちゃん惣一郎に攫われるんじゃないかって思ってしまいました…笑

 

***

 

そんなこんなで、ラスボスふたりが忘れられない結果になりました。

推し…と聞かれれば惣一郎≧彰人≧時雨>忍>辰吉>朔夜、ただし忘れられない度1位は圧倒的時雨様でした笑

PC版でどんな風になるのかとっても楽しみです( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )❤︎